マラソンの給水

40kmなどの長い距離の練習後やフルマラソン完走後に体重を計ると、普段より数キロ減っていることが多くありませんか?数キロの脂肪が消費されたと喜んでいる方がいるかと思います。
しかし、フルマラソンでの脂肪消費量は、体重70kgのランナーで500g程度です(体重の軽い方はそれよりも少なくなります)。
すなわち、数キロも体重減少するのは、ランニング中の水分補給不足による脱水が原因です。

人の体重の60%は水分です(個人差があります)。
体重の2%の水分が低下すると、10kmを走ると走行速度は6.3%低下すると言われています。

十分な給水をしなければ,タイムに影響します 

普段の練習では

補給する水分量は、発汗量によります。発汗量は季節ごとに違いますから、普段から季節ごとに練習前後に体重を計り、補給の目安を知っておくことが望ましいです。

また、練習後の尿も目安になります。尿量が少なく、色が濃い場合は、もっと水分を補給する必要があることになります。

大会においては

8月の真夏に行われる北海道マラソンの体重減少調査では、多い人では4kgを超えていたとの調査があります。しかし、実際の給水の量は0.5~2リットルだったことから、走行中にすべて補給するのは厳しいのが現実です。

従って、以下の対策が勧められています。

  • 走る前に250~500mlの補給。
  • 走行中は1時間ごとに500~1000mlの補給。
    ごく少量ずつではなく、ある程度の量をまとめて給水したほうが、腸の吸収が良くなります。 がぶ飲みもいけません。
  • すなわち15分おきに一回100~250mlの給水が必要です。各給水所でまめな給水をしましょう。
  • 冷たい水の方が体内への吸収が早いです。
  • 汗がしょっぱいことで解ることから、汗からは水分だけではなく、塩分(ナトリウム)も消失します。従って、走行中は真水だけではなく、塩分の入っているスポーツドリンクも取りましょう。
  • 糖分を含んだスポーツドリンクも有効です。
    糖分を含んだ水分は腸内での体内への吸収スピードが早くなります。

以上は、夏マラソンの目安です。冬マラソンでは各給水所での給水量の大まかな目安としてコップ半分以下の飲水でも十分と言われています。

 

人間はのどの渇きによって必要な水分を補充しようとする能力があります。
走行中の喉の渇きの感覚、その日の気温、湿度を参考にして判断してください。