ランニングを続けると、軟骨のすり減り(変形性膝関節症)はランニングをしていない一般人より進みやすい?
関節の表面には、滑らかに動くように軟骨が存在しますが、年齢と共にすり減りが出てきます。
心配されているランナーも多いかと思います。それに関するいくつかの研究では、ランナーと一般人における関節軟骨のすり減りの程度に差はないとの結果が多いです。
変形性膝関節症の増悪には体重増加が大きく関与しています。体重コントロールに直結しているランニングは、変形性膝関節症の予防につながります。
うまく付き合っていくには、どの程度のランニング距離が良いか?
中高年層男性ランナーを対象とした研究では、月間走行距離が200~250km以上になると、膝痛が増強するとの研究がいくつかあります。従って、膝に不安のあるランナーは、月間走行距離を200~250km以内に調整することが重要です。
また女性は、軟骨のすり減りが男性よりも進みがちなので、男性ランナーよりもやや少ない距離にとどめた方が良いようです。
変形性膝関節症がありながら、フルマラソンを完走しているランナーの1例を紹介します。
70歳代・女性で、数十年のランニング愛好家
膝の痛みが出現したため、当院のスポーツ整形・リハビリテーションセンターを受診。X線では変形性膝関節症の所見、またMRI検査では半月板損傷の所見を認めました。また外反母趾もあります。
膝へヒアルロン酸の関節内注射、またランニング後のアイシングやストレッチングなどの自己ケアを行なう事で痛みは軽減。その後のフルマラソンで4時間3分(70歳代です!)で完走しました。