アクアラ(Aquala)
人工股関節のゆるみと長寿命型人工関節「アクアラ(Aquala)」
概要
2011年4月28日付で、新しい表面処理技術「アクアラ(Aquala)」を用いた人工関節ライナーが、厚生労働省より承認されました。この人工股関節はバイオミメティック技術(生体を模倣した技術)である、新しい表面処理技術「アクアラ」を搭載したものです。従来品よりも長持ちすること期待できると考えられています。そのため人工股関節の交換が不要になる可能性があり、人工股関節の寿命を心配されていた患者さんより多くのお問い合わせをいただいております。
人工股関節の問題点
人工関節の問題点は、長時間使用すると関節部分が摩耗し、ゆるみが生じさせる可能性があることです。その寿命は10~20年と言われおり、ゆるみが生じると、入れ替えのための再置換術が必要となります。高齢になると再置換術は難しくなり、人工関節手術を考えている患者さんにとって1つの不安材料となっています。
ゆるみの原因
- ポリエチレンライナーと骨頭が摩擦し、摩耗するため
- 摩耗粉を食べてくれるマクロファージ(白血球の1つ)が骨を溶かすため
摩耗粉を低減させる対策として、人工股関節の材料を変えるなどの努力がこれまでも重ねられてきましたが、まだ解決にはたどりついていません。
新しい表面処理技術「アクアラ(Aquala)」
「アクアラ(Aquala)」とは、ゆるみの問題解決を目指し、東京大学で開発された新しい表面処理技術です。ゆるみの原因となるポリエチレンライナーの内側表面に「アクアラ」の技術を施すと、その表面には体内で水の膜ができるようになります。そのため摩擦が低減し、人工関節のゆるみの原因となる摩耗粉も大幅に減少するという仕組みです。
長寿命化が期待される人工股関節
実験では、従来の人工関節よりも「アクアラ」を施した人工股関節の摩耗粉は99%減少したという結果がでており人工関節の長寿命化が期待されています。
アクアラに関する情報
・アクアラについてのホームページ:Aquala(アクアラ)長寿命型人工股関節のための技術