スポーツによる「すねの骨」の痛み
シンスプリントについて
シンスプリントはスポーツに多い「すねの骨(脛骨)内側」の痛みですが、有効な治療がまだ確立されていません。
当院のスポーツ整形・リハビリテーションセンターでは、シンスプリントで困っているスポーツ競技者を少しでも手助けしたく、新しい治療(体外衝撃波治療)を開始しています。
平成26年の「運動器体外衝撃波研究会」において、シンスプリントに対する体外衝撃波治療の効果を全国で初めて発表しました。
シンスプリントとは?
すべてのスポーツ選手における下腿障がいの60%を占めるとの発表がある様に、スポーツ選手・愛好家には頻度の多い疾患です。
症状
すねの骨(脛骨)の中央から下の方に疼痛があります。
スポーツ競技のシーズン初期に痛みが強くなり、シーズンが進むにつれて痛みは軽減することもあります。
中学生から高校生に多い傾向があります。
原因
- スポーツの練習量の多さ、練習・試合における硬い地面、古いシューズ(かかとの外側がすり減っている)
- ふくらはぎの筋群(ヒラメ筋など)の柔軟性が低下し、その引っ張り力により炎症が起きる上記の説が有力ですが、まだ完全には解明されていません。
診断
疲労骨折との区別が大切です。シンスプリント、疲労骨折の初期ともX線ではその証拠が写りません。
両者の区別にはMRI検査(特にT2脂肪抑制という特殊な撮影条件)が必要です。
*以上がシンスプリントと疲労骨折を区別する目安です。
しかし、両者は結局同じもの、あるいは別なものであるとする意見があり、現在でも議論の分かれる疾患です。
*疲労骨折の診断となった場合:治療法はシンスプリントと同じではありません。
シンスプリントの治療
- 練習量の軽減と練習後のアイシング
- 硬い地面での練習を避ける。シューズのクッション性が低下しているなら新規のシューズに変える
それでも痛みが続く様なら病院で診察を受けましょう
当院ではX線撮影・MRI撮影を行い、シンスプリントか疲労骨折かの区別を行います
(上述の様に両者の区別が困難なこともあります)
シンスプリントと診断されたなら
- ● 上述の対策の継続
- ● 消炎鎮痛剤・湿布の使用
- ● ストレッチング・テーピング・筋力強化の指導(当センターの日本体育協会公認アスレチックトレーナー中心に指導を行います)
以上のことを行っても痛みが改善しない、あるいは試合・大会が近いので痛みを少しでも和らげたいアスリートに対して、当院のスポーツ整形・リハビリテーションには体外衝撃波治療があります。
シンスプリントに対する体外衝撃波治療
- 平成26年の「運動器体外衝撃波研究会」において、シンスプリントに対する体外衝撃波治療の効果を全国で初めて発表しました。
- 痛みが出現したからといって、すぐに行う治療ではありません。
他の基本的な治療を行い、それでも痛みが改善しないスポーツ競技者が対象です。体外衝撃波の適応があるかどうかは担当の医師が判断します。 - 治療効果には限界があります。すべての競技者に有効とは限りません。
- 体外衝撃波治療も視野に入れて当病院を受診希望のスポーツ競技者は、内田淳医師の診察日に受診してください。
- なお、治療は「完全予約制」となっておりますので、後日、お越しいただくことになります。(当日の治療はできませんのでご了承ください)
費用について
平成24年4月から保険適用が認められました。
但し、この治療法は保存療法を長期間受けても効果のない「難治性の足底腱膜炎」に対して、保険適用となります。
また、「難治性の足底腱膜炎」以外で治療をされる方は、自由診療になります。
ご不明な点は、お手数ですが医事課まで、ご連絡を下さい。
体外衝撃波治療の負担金は下記のとおりです。(初診料・再診料は別途かかります。)
- 1割負担の方
- 5,000円(一連につき)
- 2割負担の方
- 10,000円(一連につき)
- 3割負担の方
- 15,000円(一連につき)
- 自由診療の方
- 15,000円(税別)(一連につき)
例)3割負担の方(難治性の足底腱膜炎と診断された方)
1回目 850円(初診料)+レントゲン・MRI等
(※初診時は予約制の為、治療はできません。2回目から治療開始となります。)
2回目 220円(再診料)+15,000円(体外衝撃波治療)
3回目 220円(再診料)